相続が発生した方
遺産の調査
①相続人の調査
相続の手続を進めるには、まず法定相続人が誰であるかを正確に特定する必要があります。すなわち、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取り寄せ、婚姻や離婚、養子縁組の有無などを確認し、法定相続人が誰であるかを確定させます。
すでに亡くなった方の名義のままの不動産がある場合、数次相続(名義人の相続手続の完了前に相続人が亡くなったことにより新たな相続が発生している状態のこと。)により相続人が多数人になっている場合もあります。このようなケースでは、相続人の調査だけでも相当な労力がかかります。
なお、2024年(令和6年)3月1日から、最寄りの市区町村役場において、被相続人の本籍地以外であっても、被相続人の戸籍謄本を一括して取得することができる制度が始まりました(広域交付制度」といいます。)。
これまでは、被相続人の本籍地が異動しているようなケースでは、被相続人の出生時の本籍地から最後の本籍地までの各本籍地の役所に戸籍謄本を請求しなければなりませんでしたが、広域交付制度により最寄りの役所で被控訴人の戸籍謄本を一括して請求できることとなり、相続人の調査に要する労力は大幅に軽減されたといえるでしょう。
しかし、広域交付制度で取得できる戸籍は、本人や配偶者、直系尊属(父母や祖父母)・直系卑属(子や孫)に限定されており、兄弟姉妹やおじ・おばの戸籍謄本はこの制度で取得することはできません。ケースによっては、兄弟姉妹やおじ・おば、さらには甥・姪の戸籍謄本が必要となる場合もあり、相続人ご自身で調査することに多くの時間がかかってしまうことも考えられます。
弁護士などの専門家であれば、職務上請求により相続人調査が容易ですし、かつ、相続放棄の有無も含めた調査が可能であり、相続関係を正確に把握することができます。
②遺産の調査
相続人の確定と同様、遺産の範囲を正確に把握することも極めて重要です。遺産は、現金、預貯金、不動産のみならず、投資信託、株式、生命保険、貴金属や骨董品などの各種動産などが考えられます。遺産の調査では、預金が残っている可能性のある各金融機関に残高照会を行う、法務局で不動産登記簿を確認する、信託銀行や生命保険会社に照会を行うなどをしなければならず、遺産の存在を確認するために多大な労力がかかる場合があります。
また、遺産分割協議を行うためには、不動産や株式、各種動産の価値(評価額)も把握しなければなりません。相続人間で紛争となっているケースでは、不動産や株式の評価額が争いになることもあり、適切な方法により評価額を事前にシミュレーションしておくことが重要です。
当事務所では、相続人の調査から遺産の調査と評価額の検討までワンストップでお受けして、確実な相続手続をサポートいたします。
紛争時の対応
①遺産分割調停・審判
遺産分割は相続人全員の合意により解決することが理想ですが、相続人間で意見が対立し、当事者同士では話し合いが進まないケースも少なくありません。このような場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立て、調停委員を介して話し合いを進めることが考えられます。遺産分割調停でも合意できない場合、手続は「審判」に移行し、裁判所が遺産の分割方法を決定することになります。
ただし、遺産分割調停が可能なのは、遺産の範囲に争いがないケースだけですので、遺言の無効を争っている場合や遺産の範囲に争いがある場合は、先に民事裁判(民事訴訟)でその争点に決着をつけてから遺産分割を行う必要があります。
②遺留分侵害
配偶者と直系尊属である相続人には「遺留分」があり、遺言によっても奪えない最低限の取り分が認められています(兄弟姉妹には遺留分は認められていません。)。被相続人となる方は、ご自身の財産を遺言などで自由に処分できるのが原則で特定の相続人だけに財産を渡すことが可能ですが、その他の相続人の遺留分の部分については自由な処分が制限されているということです。
遺言書で特定の相続人にだけ財産を相続させることになっている場合や、生前贈与がある場合には、それが相続人の遺留分侵害していることがあります。この場合、遺留分を侵害された相続人は、遺留分侵害額請求により遺留分相当額の金銭を請求することができます。
ただし、遺留分侵害額請求権には時効があるため、速やかな財産の調査と対応が必要です。
当事務所では、協議段階からの交渉代理はもちろん、調停・審判手続、遺留分侵害額請求など紛争事案についてもサポートし、ご依頼者様の権利を守ります。
税務調査の対応
「税務調査」とは、簡単にいえば、相続税の申告内容に誤りや申告漏れがないかを税務署が調査する手続です。税務調査はない方がよいですが、課税当局は不動産登記や預金の情報については容易に把握が可能であるため、当然、適切な申告を行うことが必要です。
税務調査で指摘される典型的なものとして、相続財産の申告漏れ(現金、国外財産、家族名義の預金など)、相続財産の財産評価の誤り、債務控除した債務の不存在などがあります。
税務調査はないに越したことはありません。そのためには、やはり相続開始時後の早急かつ適切な財産調査と財産評価が必須です。
当事務所では、税理士と緊密に連携し、課税当局が指摘する事項の妥当性・適法性の検討、税理士として税務調査への立会いなどにも対応しております。また、不当な課税処分に至った場合には、審査請求や訴訟にも対応します。
相続税申告時のアドバイスから税務調査対応まで総合的にサポートできるのが当事務所の強みです。