遺言は、民法で決められた方式に従って作成しなければ無効となってしまいます(民法960条)。今回ご紹介するケースは、「共同遺言」であったために無効になった(=遺言としての効力を生じないものだった)という事案です。
2人以上の者が同一の証書で作成した遺言を共同遺言といい、これは民法で禁止されています(民法975条)。
夫婦で1通の遺言書を作成し、そこに夫婦が連名で署名押印するというのが典型的な共同遺言ですが、これは無効となります(最判昭和56年9月11日参照)。
当事務所にご相談に来られた相続人の方が持参された遺言書(封印はされていなかった)は、大変綺麗な和紙に、毛筆で丁寧に文字が書かれて作成されていたのですが、1枚の紙の最後に夫婦が連名で署名押印をしていました。
典型的な共同遺言であるため、相続においては遺言が無効、すなわち遺言はなかったものとして取り扱われるため、遺言に書かれていた被相続人(夫婦の一方)の思いは実現されず、相続人間で法定相続分できっちり遺産分割することとなりました。
遺言書を作成する場合は、民法の定める方式をよく確認する、専門家に相談する、公正証書遺言とするなどによって無効とならないように注意する必要があります。
【参考】
(遺言の方式)
第九百六十条 遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。
(共同遺言の禁止)
第九百七十五条 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。
【執筆者プロフィール】
弁護士・税理士 真鍋亮平
(福岡県弁護士会・九州北部税理士会所属)
「相続」を専門分野として、紛争化した案件(遺産分割協議・調停・審判)だけでなく、遺言書作成・遺言執行、生前対策、税理士のご紹介、税務調査への対応まで一貫してサポートしています。お気軽にご相談ください。
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