事案の概要
不動産の名義が約20年前に亡くなった方のままになっていました。名義人(被相続人)には子がおらず、その法定相続人は兄弟姉妹という事案でした。 被相続人の1人(甥)からの依頼で相続人を調査したところ、数次相続(遺産分割未了のまま次の相続が生じた状態。)が生じていたため、相続人は全部で20名になっていました。 依頼者と他の相続人とは面識がなく、住所地は全国に散らばっていたため、以下のような解決を目指しました。
①まず、相続人全員に対して書面を送付して、相続分譲渡をしてくれないかお願いをする。
②相続分譲渡に応じていただけた方は遺産分割調停の当事者から外し、遺産分割調停を申し立てる。
そうしたところ、遺産分割調停の相手方としては5名程度になり、その相手方についても相続分の取得を求めませんでしたので、結果的に、依頼者が不動産を取得することで解決することができました。
解決のポイント
・数次相続によって相続人が多数に及び、かつ、相続人と被相続人の日常生活上の関係性等が希薄である場合、「相続分の譲渡」を提案することが有効です。相続分の譲渡を行った相続人は遺産分割協議の当事者からは除外できます。
・また、相続人の人数が多い場合は個別に協議を行うのではなく、遺産分割調停を申し立てる方が解決までの時間が早いことがあります。
・なお、疎遠になっている相続人や、初めて連絡をとる(書面を送る)相続人がいる場合は、相手方も不信に思うことがありますので弁護士から書面を送る方が適切なケースがあります。
(実際、本人が相続人に相続分譲渡のお願い文書を送ったところ(押印と印鑑証明書を求めた。)、当該相続人が不信に思い、警察に通報したという事案がありました。)